画像処理検査装置・外観検査装置のヴィスコ・テクノロジーズ

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画像コラム・画検新聞

VTV-9000で実現する外観検査のリモート管理・非接触作業術

「生産ラインまで行かずにオフィスから稼働状況を確認したい」、「同じ検査設定の複数ラインの全てに同じ作業をするのが面倒」、「以前の検査画像や検査ログをラップトップに直接収集し、統計資料や報告書を作りたい」、さらには「オフライン環境でタスク調整や実験を行い、結果を見てから実機に展開したい。」このような現場における作業効率の観点から、以前より強い要望のあったのがリモート管理技術である。製造現場に精通する「外観検査のエキスパート」ヴィスコ・テクノロジーズ株式会社では、同社製画像処理検査装置 VTV-9000 の標準ソフトウェアに以下機能を追加することで、"リモート"かつ"非接触"な作業環境の構築に貢献している。これは、言い換えると、稼働中の外観検査工程を、「生産現場にいなくても」「複数ラインも一括で」「監視、管理、分析、そして報告」することを、条件付きではあるが実現するものである。ここでは各機能の概要を紹介すると共に、同社の考える最適な外観検査のリモート管理術について紹介する。

"VTV-QCS" で検査をリモート監視。必要データはクライアント PC に収集

QCS とは、"Quality Control System" の意。同一のネットワーク内にある社内のコントロールサーバーを経由し、例えばオフィスやラップトップの PC から、生産現場において VTV-9000 が実行する外観検査のリモート管理を実現するものである。

VTV-QCSの接続イメージ図

本を正せばこの機能は、「一括管理」という利便性の観点から発達したもの。全く同じ検査設定を施した複数ラインにおいて、その一台一台に同じ作業を繰り返すことの回避を目的としている。稼働開始後の点検やトラブル対応の際の手間を省くだけで、作業負担は大幅に軽減するからだ。
これが可能とする機能は大きく分けて4つ。

(1)リモート監視・リモート接続

「デバイスモニター」機能により、生産現場における機器の運転状態やアクティブタスクの稼働状況、さらには判定結果、検査カウンタ、検査時間の確認などを、生産現場ではないリモート地点からひとつの画面上で監視できる。さらに「リモート接続」機能を使えば、選択しているデバイス(VTV-9000)の検査画面が表示され、デバイスを操作することができる。

(2)過去データ照会

「タイムトラベラー」機能により、データベースに記録された過去の実行結果から、処理時間や検査結果などの実行履歴の閲覧や、VTV-9000 において画像保存機能が有効になっている場合には、検査画像の表示や収集を行うことができる。

(3)ファイルデータ収集

「ファイルエクスポート」機能により、VTV-9000 システムソフトウェアが生成した各種ファイルを、クライアント PC にダウンロード・収集できる。
ここで収集できるのは、
・保存画像ファイル(自動/手動)
・パラメータファイル
・画面ファイル(検査画面のスクリーンショット)
・ロットファイル(ロットごとに集計された検査結果データ)
・ログファイル(検査結果データ)
・タスクデータ(検査内容)
で、集計や分析、照会など、検査実行によって判明する様々な事態に対応する際に活用できるものだ。

(4)タスクデータのバックアップと設定/復元

前述の収集したタスクデータについて、リモートでエクスポート(バックアップ)やインポート(設定/復元)を行うことができる。「タスクインポート」機能については、ソフトウェアのアップデートや、検査項目の追加などの際に、クライアント PC に保存してあるタスクデータから実機に展開できるものだ。「タスクエクスポート」機能はその逆で、実機上のタスクデータをクライアント PC にダウンロードできるもの。検査データのバックアップ用途や、仮に問題が発生し、オフラインでの調整や問い合わせの必要が生じた際などに活用できるだろう。

(5)デバイスのバージョン管理・一括更新

管理対象のデバイスに対して、QCSサーバーやVTV-9000システムソフトウェアを一括更新することができる(管理者専用)。設定画面からは各デバイスのQCSサーバーバージョンおよびVTV-9000バーションを確認でき、管理工数の削減に貢献する。なお、対応するバージョン以上のVTV-9000ならびにQCSサーバーがインストールされていることが条件である。

"VDA" により保存されたログデータをオフライン分析

上記 VTV-QCS で収集された検査データは、画像処理分析ソフトウェア"VDA (ViSCO Data Analyzer)"に取り込み展開することで、ステータス情報やチャート(グラフ)化などを通じ、より詳細なデータ解析が可能となる。また、必要なデータをダウンロードしておけばオフライン環境でも動作するため、例えば出張先などにおけるレポートの作成なども可能とするものである。

VDAが生成するチャートの例


VDA の機能としては以下の通り。

(1)リアルタイム表示
最大 8 台までの VTV-9000 が出力するシリアルデータを、同一のネットワーク環境にあるクライアント PC において受信し、計測値をリアルタイムでチャート表示することができる。

表示されるのは、
・時系列チャート(単一/複数)
・基本統計チャート
・ヒストグラム
・工程能力指数チャート
・履歴ヒストグラム
・ロット工程能力指数チャート
・位置度チャート

(2)ログ保存
受信したシリアルデータをログファイルとしてハードディスクに保存可能。結果は文書ファイル(Microsoft Word 、PDF、HTML)に自動出力されるため、報告書の作成に便利な機能である。

(3)オフライン表示
保存したログファイルは、オフライン環境でもチャート表示されるため、事後検証を場所の制約なく行うことができる。

オフライン・ライセンス・キットで実機環境を再現

オフライン・ライセンス・キットとは、VTV-9000 の標準ソフトウェアを一般のノート PC やデスクトップ PC 上でも稼働させるハードウェアキーのこと。形状は一般の USB メモリと同様だ。これにより、製造現場やネットワークから離れた完全なオフライン環境下でも、実機と同様の状況を再現することができる。

用途は様々だが、例えばタスクのインポートやエクスポートを行うことができるため、不具合発生時のタスク調整や修正タスクの送付といった作業が、仮に出張中であっても可能となる。また例えば、新ツールや新機能を本番環境に適用する前に、事前に取得しておいた検査画像を用いてシミュレーションをするといった試用目的も想定できる。さらに、特定の検査画像(不良品画像)と VDA 出力の統計データとを合わせ、より説得力のあるレポートを作成できるなど、外観検査実行の以前や以後に付随し て発生する必要業務をいつでもどこでも実行可能とするなど、作業効率の上昇に貢献する機能である。

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