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画像コラム・画検新聞

近赤カメラの可能性
〜見えないものを可視化する技術〜

今回は赤外線波長域の中でも可視波長域に最も近い特性を持ち、可視波長域では見えないものを可視化する目的で監視カメラなどに応用されるなど、近年活用の幅が広がっている、近赤外線波長に関する取り組みを紹介します。

※近赤外線波長について
人が日々見ている光の波長は、おおよそ0.4 μ m ~ 0.8 μ m
と言われており、この範囲を可視波長域と呼びます。
可視波長域に対し、波長の短い(数値の小さい)領域を紫外線波長域、波長の長い(数値の大きい)領域を赤外線波長域といいます。
赤外線波長域は更に細かい波長域で分類されており、
・0.7 μ m ~ 2.5 μ m :近赤外線波長
・2.5 μ m ~ 4 μ m :中赤外線波長
・4 μ m ~ 1000 μ m :遠赤外線波長
となります。

活用が期待される分野

産業用分野では、シリコンウェハ向け検査に近赤外線波長が古くから使われていますが、近年では食料品、医薬品、化粧品の『三品市場』やインフラの非破壊検査、セキュリティ、バイオ、認証、通信などの幅広い分野にも広がりをみせています。近赤外線波長を使った検査は、対象物の組成により異なる光の反射・吸収・透過特性の違いを可視化することから、これらの分野以外にも更に様々な分野への導入が予想されます。

近赤外線波長を使った検査事例

近赤外線波長の中でも、1.45 μ m 波長は水分に対して強い吸収があり、この吸収特性を利用して可視波長域での画像認識では検査が難しい水分検知を近赤外線カメラで実現している事例があります。
しかし、全体の水分量が少ない検査対象に対して水分の吸収分布量などを調べたい場合には、1.45 μ m 波長では難しいケースがあります。そこで今後期待されるのは、1.45 μ m 波長より更に強い水分の吸収波長となる1.94μm波長を使った検査。1.94 μm波長の水分吸収率は非常に高いため、1.45μ m 波長ではコントラストの差が出ず、画像認識検査ができなかった全体の水分量が少ない検査対象に対する吸収分布量の検知なども実現できるものと考えられています。

全体の水分量が少ない検査対象をターゲットにした案件は多くあるため、今後はこのような画像認識検査にも近赤外線カメラを用いる機会が拡がるかもしれません。

撮像から分光分析へ

近赤外線波長を使った検査を実現するためには、対象物の組成により異なる光の特性を理解する必要がありますが、近赤外線波長域における各組成のスペクトルデータは、現時点では情報が非常に少ない状況にあります。このような状況のため、各物質の組成におけるスペクトルデータを撮像結果から取得可能となる、ハイパースペクトルカメラの開発が進められています。
ハイパースペクトルカメラは近赤外線カメラで取得する二次元の位置画像に対応した光の特性(分光情報)も一緒に取得することが可能となるため、ハイパースペクトルカメラで取得したデータを用いることで各組成の持つスペクトルデータを理解することができ、スペクトルデータを基に最も効率的な近赤外線波長を使った検査システムの提案が可能となります。

近赤外線波長を用いたシステム実現のためには

可視波長域より更に長い0.7 μ m ~ 2.5 μ m 波長の近赤外線波長域に感度を持つ製品を実現するためには、混合半導体のInGaAs(In:インジウム/ Ga:ガリウム/ As:ヒ素)センサが必要となり、また、InGaAs センサ自体の性能が重要となります。
こうした流れは今後さらに加速するものと考えられていますが、近赤外線波長の持つ能力を有効に活用するためには、InGaAs センサ以外にレンズや照明などを含めたシステム全体での検討や提案が必要となります。レンズに関してはコーティングの工夫や選定材質により、特性が大きく変わるためにターゲット波長に合った提案が必要とされます。また、照明に関してはハロゲンランプを使うことにより、幅広い波長帯域を利用することが可能となるものの、ハロゲンランプには発熱と寿命の問題があるため、用途的に発熱などが問題となる場合にはそれらの問題を解決できる可能性があるLED 光源での対応も検討が必要となるでしょう。
そのため、近赤外線波長を使ったシステムの実現には、InGaAs センサを駆動状況(冷却状態と暗電流状態など)に、レンズの透過率や照明の光量を加味した上で最適な構成を作り上げることが不可欠となります。
InGaAs センサ/レンズ/照明の関係性は非常に重要となるため、カメラ単体ではなく、レンズや照明の専門メーカーと技術連携を行いながら、ユーザー環境に最適となるシステム全体での提案が望まれています。

おわりに

産業用分野において近赤外線波長を使った検査は今後更に進むと思われますが、近赤外線波長を使った検査システムの実現にはレンズや照明の特性を理解した上での検討はもちろん、近赤外線波長で取得できる特有の画像を意識した、後段の画像処理との連携も重要となることが考えられます。
近赤外線カメラの提供だけでなく、近赤外線波長の性能を最大限に活かせるようシステム全体を構築や提案ができるメーカーへの期待は今後ますます高まるでしょう。

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